2012年6月18日月曜日

常設展示リニューアル記念イベント⑤「地域のものを探せ!」

 とうとう特別展「堂山古墳群のひみつ」の会期も残り2週間あまりになりました。会期中に開催する子ども向けイベントはこれで最後です。

 最後は「地域のものを探せ!」というタイトルで、カードを使ったクイズラリーをしました。

資料館の収蔵庫にはたくさんの民具が収蔵されています。それらの民具のなかには、全国どこのご家庭でも使われていたものと、大東地域の特徴や歴史をよく伝えているものとがあります。
例えば、蓮根堀りの道具は、決して大東だけにしかない民具ではありませんが、低湿地帯であったというこの地域の特徴をよく伝えていると思います。氷造りの道具からは、氷造りに適した気温の山間部であったこと、そして販売先である大都市をつなぐ水路交通の存在といった大東市の特色が伺えます。


 では、一緒にクイズに挑戦!次の5枚のカードの中から大東らしいもの=「地域のもの」を探してください。4つは一般的にどこでも使われていたもの、1つだけ「地域のもの」があります。

                    


 

   受付をすませたたら、この5枚のカードをもってクイズラリーに出発です。1問目、これは何に使ったのでしょうか?




















一番多かった答えは「ひしゃく」「水をくむもの」「お風呂で使うやつ」でした。
正解は、火熨斗(ひのし)。今でいうアイロンですね。これは「地域のもの」ではありません。カードの裏面には、このように答えを書きました。

 



お次はこれ、何に使ったのでしょうか?




















「まくら」という回答がありましたが、これは湯湯婆。湯湯婆でゆたんぽと読むんですね。今とは形が違いますが、使い方は今と変わらず、布団のなかにいれて体を温めるのに使いました。




これは何の道具でしょうか?

 





 
















それぞれ違う道具なのですが、これを使って何かをつくります。
さぁ、何をつくる道具でしょうか?

①ラーメン  ②踏車   ③自動車


正解は、こちら。

大東市立歴史民俗資料館『特別展 近世大東の新田開発』図録より


 ②踏車です。踏車は、水を入れたり、排水したりする道具です。大東市域は、低湿地帯で水がたまりやすく、このような踏車がたくさん活躍していました。そして、大東市諸福の近辺には、この踏車をつくる大工さんが数軒ありました。



 この大工道具がこちら。これは大東の地域の歴史を伝えてくれる、「地域のもの」といえるでしょう。






 さて、残り2問です。これは何でしょうか?

















 
 今と形は変わらないので、簡単、簡単。そう、答えはお虎子(おまる)です。主に乳幼児用の便器で、特に大東市ならではの特徴があるわけではありません。  




 



最後はこれ、何でしょうか?









 
 これは矢立(やたて)といい、筆を入れる棒状の部分と、綿に含ませた墨汁を入れる部分からなります。ペンや鉛筆が普及する前までは、筆で文字を書いていましたが、外出する時に「硯」「墨」「水滴」といった道具を持ち歩くのは大変、というわけで携帯用文房具、矢立が使われていました。これももちろん「地域のもの」ではありません。




最後は、ゴールでカードをラミネートしてもらって、持ち帰りました。

 5月~6月は、合計5回の子ども向けイベントを開催してきましたが、延べ168名の方に参加して頂きました。また夏にも子ども向けのイベントを予定しています。またHP上でお知らせしますので、是非遊びに来てください。














2012年6月9日土曜日

常設展示リニューアルイベント「もっと知りたいハンズオン」④  古文書探偵になろう

6月に入り、大阪も梅雨入りして雨と蒸し暑い日が多くなってきました。

 資料館では、6月9日(土)に「古文書探偵になろう」というイベントを行いました。
 

 みなさんは「古文書」と聞くと、「字がくずれていて読めない」とか、「難しい」といったイメージを持っているかと思います。今回は、古文書に少しでも身近に感じてもらえるように、古文書に使われている紙と同じ原料から和紙を作りました。また、資料館に所蔵している古文書を実際に見て、どんなものなのかを知ってもらおうというのが目的です。

まず、紙漉(かみす)きをして和紙を作りました。
 主な和紙の原料は楮(こうぞ)と呼ばれる木です。楮の皮の繊維をほぐしたものに植物(トロロアオイ)から採れた粘液を混ぜて、漉き具(すきぐ)で漉(す)くと和紙の原型が完成します。

それを乾燥させると和紙の出来上がりです。
 

 当日は、参加者にはダンボールに漉いたものを貼り付けて家に持って帰ってもらいました。どんな和紙が出来ているのでしょうか?

 紙漉きが終わった後は、資料館が所蔵する古文書を実際に見てもらいました。

 展示ケースには3点の古文書を展示して、その中からワークシートを使って、それと同じものを探してもらいました。

ワークシートには2か所空白があり、参加者には古文書を見て文字を埋めてもらい、古文書の解説を学芸員が行いました。

 資料館2階にもワークシートを設置しています。常設展示室にお越しの際は、展示している古文書の中からワークシートと同じものを探して、少しでも古文書に接してもらえればと思います。

 今回も多くの方に参加して頂き、ありがとうございました。

 来週16日は、イベント最終回「地域のものを探せ!」です。オリジナルカードを作って、大東市内で実際に使われていた民具に触るというものです。次回も皆さんの参加をお待ちしています。

2012年6月3日日曜日

常設展示リニューアル記念イベント③「土器に模様をつけよう」

  6月に入り、雨が降りそうでムシムシと暑い日が続いています。
そんな中、みんなで「土器」をつくりました。「土器」ってなにか知っていますか?

一般に「粘土を素焼きした器」と説明されます。もう少し説明を加えると、「陶器」や「磁器」ではない、土でできた入れ物ということになります。いつも使うコーヒーカップやお茶碗、お皿などが「陶器」や「磁器」、粘土を素焼きした「植木鉢」が「土器」と同じような作り方で作られています。

 でも、今回は「土器とはなんぞや」といった難しい話ではなくて、「土器の模様ってどんなん?」ということを作りながら楽しんでもらいました。


 まず、器をつくります。器なのでものを入れられるものなら何でもOKです。「お父さんの顔」とか「座る女」といったテーマの作品はお断りです。


器ができたら、「くし」を取りにきてもらいました。そして、弥生時代の人が、この「くし」1本からどんな模様をつくったのか、見てもらいました。


 いよいよ自分がつくった器に模様をつけます。弥生人に負けず劣らず、1本の「くし」から多彩な模様が生まれました。
ここでは火を使えないので、持って帰り1日~2日間自然乾燥したらできあがり。ただし、水には弱いので注意してください。

 
講座も終わり、後片付けをしていたらものすごい雷雨が降ってきました。来週には梅雨入りでしょうか。来週9日(土)は「紙」をつくって古文書探偵になります!古文書探偵になって何をするかはお楽しみに!