空を見上げると、夏の雲から秋の雲にかわってきました。体にも夏の疲れがたまってきた頃でしょうか。
そんななか、東部図書館と一緒に「体験おはなし会」をしました。
子どもたちに本を読んであげる時、昔話や民話の中にはたくさんの道具が登場します。昔はあたり前にあった道具も、今ではどうやって使ったのか、何をする為の道具なのか、わからなくなっています。そんな道具=民具が資料館の収蔵庫にたくさん眠っています。
そこで、物語の筋には関係ないけれど、民具について知ることで、物語を深く味わえるのではないかと「体験おはなし会」が企画されました。
第1話目『しおふきうす』。
これは何でしょう?と石臼を見てもらってから、絵本の読み聞かせが始まります。
読んでくれたのは、東部図書館の司書さん。

むかし、貧乏な弟と金持ちの兄があったと。弟が正月の準備ができずに困っていると、こびとのところでまんじゅうと石臼をとりかえるようにと、言う人がある。弟はもらったまんじゅうをもってこびとのところに行き、石臼とかえる。この石臼は、右にまわすと好きなものが出る、左にまわすと出るのがとまるという不思議な石臼だった。弟は家から馬から好きなものを出すと、お正月の準備をした。明けてお正月、あんなに貧乏だった弟の家が見違えるようになっている、これはどうしたわけだと兄はびっくりする。そのわけを知り、石臼を盗み出した兄は帰る船の上で、石臼をまわしたものの・・・・・。
読み聞かせの後は、石臼を触ってみよう。
「あー、こっから出てきてんでー。」
「細かいやつがでてきてる!」
「ゆっくりまわしてみてー。はやくまわすとあかんわー。」
体験用ということで、小ぶりな石臼ですが、石臼がどんなものかは伝わったようです。
インターバルには、図書館の司書さんが泥メンコを紹介してくれました。
第2話目『がまどんさるどん』

ひろった稲穂から米づくりをすることになったがまどんとさるどん。「田うちに行こう」「苗うえに行こう」「草ぬき」に行こう、と誘っても、いつも「はらがいたい」「あたまがいたい」といって、がまどんに仕事をおしつけるさるどん。収穫してモミと米を分けて、やれ米をついて食べようという段になってさるどんが「山の上でもちつきしよう」と言い出す。ついたもちを食べたのは・・・。
このあと、『がまどんさるどん』に登場する米づくりの道具を紹介しました。田うちに使う備中鍬、苗を運ぶ苗かご、モミと米を選別する箕。
「このあとがまどん、これ(箕)使って何したんだ?」

「どじょうすくいー」
「ちゃうわー」
一通り紹介してから、一人一人、天秤棒を使って苗かごを運びました。
次の幕間には、学芸員実習生に「折り紙」をやってもらいました。
「こうやって折ったら、何ができたかなー?」
「タヌキ―」
「次のおはなしにはタヌキが登場するよー。」
第3話目『たぬきのいとぐるま』
これを使って「たぬきが何をするかよく見ておいてねー」と糸車を見てもらってから読み聞かせスタート。
あるところに、木こりの夫婦が住んでおったと。ある時、タヌキが罠にかかっていたのを木こりのおかみさんが逃がしてやった。おかみさんが糸車をまわすのを見ていたタヌキは、木こり夫婦が山を下りている冬の間に一年分の糸をつむいでくれたんだと。
おはなしの後には、綿繰り機と糸車を紹介して、触ってもらいました。
タヌキみたいに上手に糸をつむぐのはなかなか難しいみたいです。